保険の基礎知識

保険とは「一人の災難を大勢が分かち、わずかの金を捨てて大難を逃れる制度」(福沢諭吉)
「万人は一人のために、一人は万人のために」(マーネス)

保険とは、将来起こるかもしれない危険に対し、予測される事故発生の確率に見合った一定の保険料を加入者が公平に分担し、万一の事故に対して備える相互扶助の精神から生まれた助け合いの制度で、私たちを取りまくさまざまな事故や災害から生命や財産を守るためのもっとも合理的な防衛策のひとつです。

公営保険と民営保険

公営保険

社会政策または経済政策的理由から実施される保険で、社会保険と産業保険があります。

種類目的主な保険
社会保険社会政策ないし社会福祉として行なわれる国民健康保険、国民年金、雇用保険、船員保険等
産業保険経済政策として行なわれる農業保険、漁業保険、漁船保険、輸出保険

民営保険

民間の損害保険会社、生命保険会社が販売している保険です。
また、民営保険に該当する保険であっても、社会政策的趣旨から実施されているものがあります。自賠責保険(自動車損害賠償保障法に基づく)や地震保険(地震保険法に基づく)がそうです。

民営保険の分類と主な保険の種類

人の生死に関して保険金が支払われる生命保険を「第1分野」、偶然の事故による損害について保険金が支払われる損害保険を「第2分野」、生命保険と損害保険の中間に位置する保険を「第3分野」といい、医療保険、がん保険、介護保険、傷害保険などがあります。

分類定義主な保険の種類
生命保険~第1分野人の生死に対して一定額を支払う保険定期保険、終身保険、個人年金保険、養老保険など
「第3分野」生損保の垣根が低くなり、明確に区分できない保険分野医療保険、がん保険、介護保険、傷害保険、所得補償保険など
損害保険~第2分野一定の偶然の事故によって生じる損害を支払う保険自動車保険、火災保険、海上保険、賠償責任保険など

貯蓄と保険の違い

貯蓄

金融機関等にお金を預けておいて、「突然の出来事」や「予測できること」に備える一般的な方法です。 しかし、貯蓄では
1.大きなリスク(自動車による対人賠償事故等)に充分対処できません。
2.貯めた金額までしか利用できません。(大金を貯めるには何年もかかります。)
保険を利用すれば、保険料を支払った時から大きな保障(補償)が得られます。「貯蓄は三角、保険は四角」といわれています。

自家保険

数多くの車両や建物、船など有する巨大企業等が、あらかじめ自社内に積立金を積み立てておくことにより、これらに関するリスクに対処する方法です。しかし、リスクを多数の企業等に分散するものでない点で保険と異なります。

保証

債権者は債務者が債務不履行の場合には損害を被ることになりますが、債務者が履行すべき義務を、第三者である保証人がその債権者に対して負担する制度です。第三者が他人のリスクを肩代わりする点で保険に似ています。しかし、履行保証保険、住宅ローン保証保険のように、多数の加入者を集めて有償(保険料)で保証を引き受けるのではなく、一般に保証人は、多くの場合は無償で引き受け、債務者の債務不履行等に対しては保証人自身の資産を充当する場合がほとんどです。

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